『敗北と死に至る道が生活』その694
代々木公園にてフリスビーをしているカップルがいた。男のほうはうまいらしく、女の手元にうまく投げている。女のほうはかなりやる気がないらしく、あさっての方向に行ってしまう。男はこう言っていた。『手首がフラフラしているから方向が定まらない。』と。女のほうは何も言わないが私にはこう聞こえた。『どうせ遊びなんだからいいじゃん。もうやだから帰ろうよ』。開き直る態度もあからさま。男には聞こえないらしく、まだ続けていた。『もっと腰を入れて』・・・『真面目にやれ』・・・『もう一回』・・・『やる気あんのか』。
その場にいた誰もが『明らかにやる気ないだろう。あんただけ熱くなってる』と心の中で突っ込んでいた。松岡修造と付き合ったらこんな感じなんだろうか。私は女の気持ちに同感して帰ってきた。真面目で熱い人は苦手だ。