『庶民感覚』その1288
現場責任者は高度な知識と経験を持った人間が必要である現場というと末端という印象がある。組織は昇進社会であるから、末端(現場)にはまともな人間がいない。アルバイトを雇うとしても現場責任者は高度な知識と経験を持った人間が必要であるが、いかんせん『たかが現場』という意識があるのだろう。『現場』にはエアコンがないし、作業服だ。階層社会でなければここが一番偉い人であり、一番高給取りであってもいい筈だ。
プールの監視員。アルバイトが悪いのではない。責任者・マニュアル・危険箇所の認識といったことをきちんと教育していればアルバイトだって良い。頭を下げている記者会見がやたら多い。これは今に始まったことではない。『私は寝てないんだ』『想定していなかった』『メンテ会社が悪い』・・・。アホな発言が相次ぐ。
事件は常に現場で起きていて、現場で優秀な人間は現場から離されるという構造からは人類は抜け出せない。つまり事故は絶対になくならない。そういう社会の中でどうやって生きてゆくか。個人で危険かどうか判断しなければならない。人を信用してはならない。
私は交差点の信号待ちは道路から5m程度離れたところで待っているし、一番先頭や、一番最後に渡るときは小走りで走り去る。その際、右左折車のドライバーの視線がこちらを認識しているかどうか確実に見ておく。ビルの窓清掃員は『必ず落ちてくる』という意識で通るし、遊園地の乗り物は『必ず故障する』と思って乗る。スカイダイビングなんかは『パラシュートが開かない確率はゼロではない』と思って落ちる。あー恐ろしい。