『言葉のチカラ』その1585
日本の Windows Update を出している人が講師だった。ハードウェアの欠陥はナショナルの石油ストーブみたいに回収しなければならないが、ソフトウェアのパッチなんかアップデートで済むから楽だろうと思っていたら、内部では非常に大変だそうだ。アニメーションカーソルの脆弱性が発見されたときを例にとって教えてくれたのだが、そのコードを書いた張本人が修正したプログラムはたった8行。張本人のテスト確認はすぐ終わった。しかし直したモジュールが USER32.DLL という OS の根幹を制御しているもの。テストしない訳にはいかないそうだ。 USER32.DLL のテストケースは60万件だそうだ。それを 400人体制で三交代三日間。更にそのチェックが終わった後、主要サードパーティーチェックが入るそうだ。主要サードパーティーは、例えば Norton , マカフィーなど。マカフィーチェックで「なんかおかしい」という報告もあったそうで、出戻り直し。これの人件費で 1,500万円かかるそうだ。こういうことからリリース前のテストは相当やっていると聞いた。リリース後のパッチ1件 1,500万円かかることを考えたらリリース前のテストにお金をかけた方がいいとか。そこのテストでは、実行中に本体を蹴り飛ばしたり、猿がピアノを弾くように、キーボードを滅茶苦茶に入力してみるそうだ。
別の講師は dell の設計の人。Intel と AMD を第三者から見ると、お互いのベンチマークが他社より優れているというレポートは、自社のいいとこだけを発表しているからだそうだ。勝っているテストケースだけを書いているから間違いではないが、鵜呑みにしてはいけないとか。Intel はキャッシュが効いた状態では強いが、AMDはキャッシュが効いていないところでも強いので AMD の CPU の方が良いらしい。
有料だったが有意義なセミナーだった。とはいえ 3,000円という安さ。