『敗北と死に至る道が生活』その2001
答えがあるのを導き出すのが得意な理系としては、答えがない芸術的なものを作るのは苦手だ。芸術には「間違ったままでも完成してしまう」という怖さがある。コンピュータも間違ったまま完成することはあるが、間違いは正されてゆく。芸術に間違いはない。と言われるだろうが、少なくとも作った本人がいいと思わないものは「間違ったもの」だと思う。1曲作りたいのだが、今のところ「間違ったもの」しか出来ていない。シロウトが作ると同じような音程の周辺を行ったりきたりするだけだ。音符がはねないのは言葉を詰め込みすぎているのかもしれない。
私がいい曲だと思うのは1文字が1音に対応していて1小節に4~8文字程度だ。あと横軸の間の空け方にもなんらかの理屈がありそうだ。横軸はリズム?になるんだろうか。サザンやミスチルは言葉を詰め込んで1音のなかに4、5文字平気で入れている。それでもいい曲になるんだから大したものだ。動詞や形容詞を極端に削ってみたりしている。抽象的になった。「涙」だけあれば「流す」など不要なのではないか?とか。方向は間違ってないのかもしれない。
メロディーメーカーとしては初期のユーミン。荒井由実は本当にすごい。でもここ数年の松任谷由実のメロディーは私には響かない。なぜだろう。知識も技術も今のほうが数倍上回っている。初期衝動による感性は何をも上回るのかもしれない。だとすれば40過ぎのおっさんに何が出来る。18歳の頃からダラダラ生きていたツケだ。若いあなた方は何か一生懸命になれるものを真剣にやったらいいと思う。おっさんからのアドバイス。「ダラダラ生きる」ということが出来るのもかなり幸せなことで後悔はしていない。