『敗北と死に至る道が生活』その2407
こうは見えても昔、家電の販売員だった。販売員とは言え小売店だったので修理やエアコンの設置もやっていた。ヤクザの事務所に掃除機を納品して、何故か事務所の掃除をして帰ったことがある。やらされたのでなく、善意を押し付けたらどうなるか見たかったのだ。偉い人ほど優しかったっけ。エアコンを取り付けるのはたいてい夏なのでとても暑くて設置後の確認作業で冷風が出るとはぁ~っとため息。が、すぐに帰らなければならなかった。今はデスクワークなので楽だが外で働く人に今年の暑さはとても厳しい。
冬の移設の室外機側にガス回収が困った。当時はフロンだったが今では何か知らない。動作させないとモーターが回らないのだが、冬なので設定温度より外気温が低く作動しない。なのでセンサーにドライヤーの熱風をかけたりした。今ではテストモードというボタンがあるそうだ。未だに両親から家電に詳しいと思われているが十数年前の技術しか知らないのだから全く役に立たない。手に職がつかない。味噌や醤油や豆腐を作る技術の方が古いのに未だに役に立つ。最先端の技術者は古い技術にある種の憧れを抱いている。