『敗北と死に至る道が生活』その2748
姉が腎臓病の食事のたんぱく質とカロリーの計算をしていた。腎臓病はたんぱく質を抑える。たんぱく質を抑えるとカロリーまで減ってしまうのでバランスが非常に難しいらしい。夜だけ業者に頼んでいるのだが、750円。最初は高いと思ったがメニューを考えて温かい状態で配達までしてくれるので高くはないと姉は言っていた。ウィンナーは油で炒めるとか。パンにはバター塗ってからジャムを塗るとか。一見ダメそうなやつが推奨されている。買物を頼まれた。まだメーカーが定まっていないので同じウィンナーでもたんぱく質が少なくてカロリーが高いものを選択する作業から始まる。今まで気にしたことがなかった裏面の表示をじっと見る。同じようなジャムでも全然違う。バンドルされたウィンナーなんか記述の部分に無造作にテープが貼り付けてある。「これをじっくり見る人がいる」という意識がメーカーにはないようだ。なーんて昨日までは全く不便だと思ったことはない。
たいてい100gあたりで書いてあるが、何故か1本あたりとか80gあたりとか単位が揃っていない。きっと80gで1袋だからだ。にしても100gも併記してくれないとすぐに分からない。食パンなんか100gあたりで書いてあるのと1枚あたりで書いてある。1枚は340gです。なんてあると何をどうしたらいいか分からなくなる。
計算機が必要だ。スーパーで電卓叩いてたら値段を足しているものだと思っていたのは昨日までの話だ。人それぞれに知らない事情がある。ネクタイを頭に巻いているおじさんにだって、きっとそれなりの事情がある。
そんな姉が必死な横で母は「今日は退院だから赤飯も」とか言って父に差し出した。姉にきつく怒られていた。せっかくの計算が台無しだという感覚がない様子だ。ははのんきだね。などというレベルではない。