『敗北と死に至る道が生活』その3048
クレジットカードの裏面の署名。私はわざと間違えて書いてある。カード番号と有効期限ローマ字まで刻印されていて、裏面の3桁の数字までしっかり明記してあるカードを落としでもしたら他人が使える状態。なのでせめて署名だけはニセモノにしているのだが、普通に店でサインしても「違いますね」と言われたことは一度もない。ミシュランなんぞに評価されたかぁねぇ。っていう鮨職人が、三ツ星をもらったとき、表彰式に呼ばれて拒否しようと思いながらも、常連客の北野武に相談したら「もらえるものはもらっとけ。仲買人が喜ぶから」と言ったそうで、ありがたく受け取ったという話を聞いた。「自分の意思」と「周りがどう思うか」。「周りがどう思うか」も勝手な自分の意思だったりする。自宅から会社の狭い範囲の社会生活で何が分かるものか。という意思だけは持っていたいと思う。世の中のさまざまな事件を見ていると、同じ日本に住みながらぜんぜん違う日常を送っているのだなと思う。私の普通はあなたの異常だ。あなたの異常は私のせいではない。