『敗北と死に至る道が生活』その3071
テンションが高い人を見ると、私のテンションは暴落し、溝がもっと広がる。そんなことはどうだっていいが、若い社員がエラーメッセージを最初から最後まで読んでいるのを見て気がついた。いつのまにかエラーメッセージもどこが重要でどこがどうでもいいのか「絵としてわかる」ようになっている。「何が」「どうした」さえピックアップできれば他の文字はどうだっていい。だからと言って若い社員にいきなりこのレベルの能力は要求できまい。経験を積んでこうなるのだ。となると人類全体の能力はあまり進化しないんじゃないかと思う。経験を積んだ状態の赤ん坊が生まれない限り。
年をとると必要じゃないものを排除出来る能力が高まる。必要かどうかは人それぞれなので、一概には言えないが、例えば私の職業上 Word という文書作成ソフトの使い方は学習しておいた方がいいだろう。と、若いころは思って書籍を買ったりした。しかし、今までの仕事で Word を起動したことなど数回しかない。自分が作成することは一度もなかった。他人が作ったWord文書を見て、「こんなのメモ帳で十分じゃないか」くらいあっさりした文書もWordで作っている。Wordに使う脳みそはばっさり切り捨てる。と若いころ分かっていれば遠回りしなくもよかったのだが、結果論だ。時に無駄を詰め込む。それもまた人生。