『敗北と死に至る道が生活』その3427
子供の頃。父と一緒にプラモデルを作った。父が車のシートの部品を前後逆に接着してしまった。
私はムキになって怒った。
今思えばどうでもいいことだ。
「逆に付けちゃったね」と笑い飛ばす程度のことだ。
それを私は怒った。
誰のお金で買ってもらったプラモデルだ。
でも少年になっても青年になっても中年にさしかかっても、くだらないことで怒ってきた気がする。
本気で怒ることなんて、ほんの少ししかない。
未来のほうが過去より短くなった老爺のつぶやきだ。
若い人は気にしなくていい。