『敗北と死に至る道が生活』その4071
満員電車から降りるとき無言で押してくる人がいる。「降ります」とか言えばいいのに。と、若い頃は思っていた。自分の知っている世界しか知らないバカだからだ。その人が喋れない障害者かもしれないし、自分の耳では聞こえない周波数の可能性だってある。そう考えると世の中の一見おかしな行動は自分の視野が狭いだけだ。エスカレーターは右側を空けるという暗黙のルールだって、どうしても右側のベルトに掴まらないと立てない人だっている。そんな人に「チッ」と言いながらわざとぶつかる若者もいる。視野が狭い。自分が逆の立場にならないと分からないのだ。
そもそも右側、左側も地域性がある。世界を全て知ることなど不可能なので、いつまでも自分はバカだと思って生きている。