管理日誌エッセイ
『敗北と死に至る道が生活』その35
一人暮らしは下手に自炊すると高くつく。私の家から一番近い外食屋が吉野家だから仕方が無い(泣)。最低でも週に3回くらいは牛丼なのである。
いつも牛丼ばかりで飽きてしまうので、たまには変えてみようと思い、牛皿とご飯を頼んでみたのである。牛皿とは牛丼の上に載っている具の部分である。そしてご飯とは牛丼の下にある白い米である。つまり牛皿とご飯で牛丼なのである。数学風に書けば「牛丼 = 牛皿 + ご飯」ということになりかねない。しかし数字で(卵)割り切れないことを大人の私は発見してしまったのである。足し算にも関わらずである。
牛丼 と 牛皿 + ご飯 は明らかにイコールではないのだ。まるで別のものを食べているかのような感じである。
牛皿の方が『つゆ』の部分が生き生きとしている。『つゆ』が話せるとしたら「いつもいつも飯の上にかけてんじゃねぇぞ」と言い出しかねない。ご飯はご飯の自己主張、つゆはつゆの自己主張をし、別々に食べてあげた方がおいしい。
しかし私は値段を見て愕然としてしまった。牛丼280円。牛皿240円。ご飯130円。数学風に書けば「牛丼280円 < 牛皿240円 + ご飯130円」ということになりかねない。牛皿とご飯を頼んで、おもむろにご飯に牛皿をかけて食べる勇気があるだろうか。単なる牛丼に成り下がってしまうのだ。少なくとも私は出来ない。なんて小心者(泣)なんだろうか。