『敗北と死に至る道が生活』その57
紙の安心感ったらない。
事務がOA化されて紙の使用量が減ると言われたが、むしろ増えている。プリンターという紙を何枚も吐き出す装置がOAの一部なのだから仕方が無い。手書きでは不可能なくらいの情報量を吐き出す。間違えたってなんだって吐き出す。お前は酔っぱらいかと言うくらい吐き出す。
しかし電子情報というのはなんとももどかしい。画面で見れば済むものを一旦紙に印刷してからの方がじっくり見られる気がする。ディスプレイと紙は何が違うのだろう。
ディスプレイでは尻が拭けない。鼻がかめない。と、人は言う。じゃあ尻が拭けるディスプレイが出来たとしたらどうだ。誰もディスプレイで尻など拭かないのだ。
紙の安心感ったらない。