『敗北と死に至る道が生活』その261
あなたは夕陽を見て少しブルーだろうか。私は少なくともオレンジだなぁと思う。人は夕陽を見ていると悲しくなる。日の出を見て悲しくなる人はいないだろう。むしろ「今日も一日始まるぞ」と元気な気分にもなりがちだ。糞の切れが悪くてもだ。便秘がちの女どもは糞が切れずにケツめどが切れるらしいが。「切(せつ)ない」と「切れない」を勘違いしているからだ。まぁそんなことはどうでもよろしい。
そんなことより、私は「進行方向に対して前を向いていたい」と常に思っている。スキーの6人乗りゴンドラなんかに乗る場合順番によっては進行方向に対して後ろ向きに乗らなければならない時がある。私はそれを考えただけで気持ち悪くなるのだ。
電車もそうだ。電車は折り返し運転するからシートが逆を向いてる場合がある。ましてや4人掛けボックスのうち2席は常に後ろ向きだ。で、実際そんな状態で座らなければならない時、私はたちまち元気がなくなる。ピクニック気分もそれまでだ。
「ぶらんこ」も前から落ちていく分にはいいが、戻るときにへその辺りがキュンとなる。へそもブルーなのだ。「ぶらんこ」なんてここ数ヶ月乗ったこともないが。
我々が朝日を見ている場合、地球は太陽に向かって進んでいる。そして夕陽を見ている時は前章で述べた通り進行方向に逆らいつつ見ているのではないだろうか。
そして驚くべきことは、夕陽を見ているとブルーな気分になるのは、この「進行方向に対してどちら向きか」ということとは、もしかしたら何ら関係が無いということだ。更に驚くべき事に「太陽自体は夕陽を見たことがない」ということである。だからあんなに眩しいのだろう。日本で沈む夕陽はブラジルでは朝日(サンバのリズム)だからで、太陽がブルーになったら涼しげだからでもあるのだ。