『敗北と死に至る道が生活』その4913
申し込んだ東京公演のチケット全滅で取れなかった。妻が交通事故にあって、死んでしまうという妄想を割と頻繁にする。この若さで可哀想だなと思う。部屋の整理を行う。一つ一つの物に想い出が染み込んでいて、なかなか捨てられない。とりあえず段ボールに入れる。人は、「思い出すから引っ越せば」と容易く言う。それもそうかと思うが、しばらくはここにいるつもりだ。魂や幽霊が実在するとして、妻は何処に行けばいいか分からないかもしれない。ただでさえ方向音痴だ。新幹線で品川から小倉に行くのに東京行きに乗ってしまう勢いなのだ。だから暫くは引っ越しせず、段ボールに入れる作業が終わってから考えよう。
と、妄想して帰宅したら妻が実在していて、余計に嬉しい。頭を撫でると「やめてよ。ぺったんこになる」と言われる。